どうもここ数年の日本の気候は、夏と冬の気温差がどんどん拡がっている気がします。
夏はより暑く、冬はより寒く。
冬の外出時には、やっぱりカイロが欠かせませんね。
使い捨てカイロが手放せない人も多いと思いますが、実は使い捨てカイロよりも歴史が古い上、使い捨てカイロよりも暖かいカイロが今でも現役で存在するのをご存知でしょうか。
「カイロ」といったら?
みなさんは「カイロ」と聞いて、なにを思い出しますか?
おそらくほとんどの人が、袋から出して振ったり揉んだりすると暖かくなる、いわゆる「使い捨てカイロ」が頭に浮かぶのではないでしょうか。
ところで「ハクキンカイロ」って、聞いたことありますか?
年配の方ならあたりまえのようにご存知だと思いますけど、若い人は知らない人のほうが多いかもしれませんね。
それもそのはず、いまはなかなか売っているところを見かけません。
僕が子どもの頃は、スーパーでも普通に売っていましたが、ロッテの「ホカロン」や、金鳥の「どんと」の大ヒットにより、徐々にシェアを失っていったように思います。
でもその性能は、使い捨てカイロの比ではありません。
使い捨てではないハクキンカイロの原理
ハクキンカイロはベンジンを注油して、火口に火を近づけると、気化するベンジンと火口に含まれるプラチナ(あの貴金属です!)が高温によって反応し、発熱するという仕組みです。最初に火を使うのは、反応する温度まで上げてやる必要があるだけで、ずっと燃え続けているわけではありません。
その証拠に、一度発熱したハクキンカイロの火口を、まだ発熱していないハクキンカイロの火口に近づけると、そちらもまもなく発熱が始まります。
そのため、火を使うとはいえ、安全性も高いといえるでしょう。
よく勘違いしている人がいるのですが、最初に火を使った後は気化反応で発熱しているだけなので、「ポケットに入れておいたハクキンカイロが急に発火する」みたいな事故は絶対に起こらないので、安心して使ってもらって大丈夫です。
ハクキンカイロをベンジンで満タン(約25cc)にすれば、約24時間カイロとしての機能が持続します。
純正のベンジンが1本で500mlです。
圧倒的な燃費の良さを理解していただけるのではないでしょうか。
※100円ショップ等にも売っている格安のクリーニング用品のベンジンはカイロ用に比べてものすごく安いのですが、ニオイがキツかったり途中でカイロが冷たくなったりとトラブルが多いので、避けた方が無難です。
ハクキンカイロの熱量は使い捨てカイロの13倍?
メーカーによれば、ハクキンカイロの熱量は使い捨てカイロの13倍だそうです。
よくこれを「使い捨てカイロの13倍暖かい」と勘違いする人が多いですが、そういう意味ではなく「より身体の奥に暖かさが届く」くらいの認識でいいかと思います。実際に13倍も暖かかったら、焼死してしまいますよね(笑)
ハクキンカイロはエコ&永久保証
ハクキンカイロにより気化反応したベンジンは、すぐに炭酸ガスと水に分解されます。排気ガスのような有害物質はいっさい出さないんですね。いまさらながら、こんなハイテク商品が90年以上前から存在していたのが信じられませんよね。
また、基本的な構造が変わっていないので、消耗品である火口(とはいえ、火口の寿命は5~10年もあります(笑))も、90年前の初代ハクキンカイロと現行のハクキンカイロでも互換性があります。ひとつあれば、一生使えますよね。
こんな便利なハクキンカイロのシェアが大幅に減ったのはおそらく
最初に火を使う必要がある
ベンジンを補充する必要がある
この2点でしょうか。
便利さに限れば、やはり使い捨てカイロにはかないませんね。
ハクキンカイロを使ったほうがいい人
本当にオススメなハクキンカイロですが、人によっては使い捨てカイロで充分かもしれません。
僕が絶対に持った方がいい人として思いつくのは
釣りやゴルフなどのアウトドアスポーツをする人
冬に外で長時間立ち仕事をする人
コミケに徹夜して朝から並ぶ人
アイドルのライブの物販に朝から並ぶ人
冷え性の人
でしょうか。
僕は上記のリストすべてに当てはまるので、ハクキンカイロと出会ってよかったです。
これからも使っていくと思います。
ハクキンカイロ、これだけは注意!
使い捨てカイロとは比較にならないくらい性能の高いハクキンカイロですが、どうにもならない欠点があります。
それは飛行機内に持ち込み不可なことです。
手荷物も機内預けもダメです。
こればっかりは、どうしようもありません。
知らんぷりして持ち込もうとしても、ほぼ確実に発見されて、その場で捨てさせられます(泣)
ベンジン臭を軽減するにはジッポーオイルを使う
素晴らしいハクキンカイロですが、ベンジンの臭いが気になる人がいるかもしれません。
僕はまったく気になりませんが、この臭いのせいでハクキンカイロが無理という人もたくさんいます。
そんな人のための裏技があります。
それは、ジッポーオイルを使う事です。
あの世界的に有名なライター、ジッポーのオイルがベンジンの代用になります。
ジッポーオイルは、ぶっちゃけてしまえばホワイトガソリンなので、アウトドアショップでジッポーオイルよりも安いホワイトガソリンを買ってしまえば、コストパフォーマンスは最強になります。
ただ、ホワイトガソリンには使用期限があるし、どんな極寒地に住んでいても、1シーズンにハクキンカイロに使う燃料はそこまで必要ではありません。
個人的には、ジッポーオイルの大サイズを1シーズンごとに買うのがおすすめです。
また、1年経過したジッポーオイルやホワイトガソリンをハクキンカイロに使うと、パフォーマンスが著しく落ちます。
これは実際に使ってもらえば痛感できると思います。
ぜひ、シーズン落ちの燃料でハクキンカイロを使って「こんなのハクキンカイロじゃない!!」という経験を一度はしてみてください。
シーズンごとに新しい燃料を買う重要性がわかると思います。
シーズンに毎日使って、ちょうどなくなる量のジッポーオイルです。超おすすめ。
おわりに
ハクキンカイロ、本当にビックリするくらい使い捨てカイロより暖かいので、ぜひ使ってみてください。
ここで最後に僕が持っているメチャクチャ古いハクキンカイロのデッドストックを紹介しておわりにします。
どうですか? 歴史を感じますよね。
使ってはいませんが、おそらくこれにベンジンを入れて火をつけたら、すぐに暖かくなりますよ。
死ぬ前にこれで暖を取りたいなあ、なんて。
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