大きなホールやアリーナと違い、いわゆる「小箱」と呼ばれるライブハウスでのスタンディングのライブは楽しいです!
アーティストとの距離が近いうえに、目線が合ったり、こっちに手を振ってくれたりする事もあります。
ただ、スタンディングのライブに参加する時には、事前に知っておいた方がいい事がたくさんあります。
※「スタンディングのライブ」とは、座席がなく全員が立って観るライブのことです。
「オルスタ」ともいいます(「オールスタンディング」の略)
しかし、ライブハウスと聞くと怖いイメージを抱いている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、スタンディングのライブに初めて参加する時に、現地で戸惑ったり困ったりしないような基礎知識から、知らないとお客さん同士でのトラブルに発展するおそれがあるマナーやルールについて解説してみたいと思います。
なお、このブログの性質上、アイドル現場でのライブを念頭に置いていますが、ロックバンド現場でのそれにも確実に応用が効くので、時間があったらぜひ読んでみて下さい。
スタンディングのライブは、自分で観る位置を決める
スタンディングのライブには座席がありません。
基本的にはチケットに書かれている番号順に入場して、好きな位置を確保します。
当然みんなステージに近い場所で観たいので、最前列は早い者勝ちですぐに埋まってしまいます。
というわけで、自分の持っているチケットの番号によって当日の行動は全然違うものになります。
まずは、自分のチケットの番号を把握しよう!
荷物は観客席に持ち込まずにロッカーに預ける
スタンディングのライブは基本的に「周囲にヤバい人しかいない満員電車」という認識で間違いありません。
手ぶらでの参加を強くオススメします。
満員電車の中でリュックを背負っている人って迷惑ですよね?
よくライブハウスで見かける光景ですが、慣れていない人が自分の足元にカバンを置いて、ライブ中に他人に踏まれて怒る人いますが、完全にカバンを置いた人が悪いです。
ライブ会場に荷物を持ち込んだら、蹴られても踏まれても文句は言えません。
これはルールではありませんが、限りなくルールに近いマナーです。
ライブハウスには大抵コインロッカーがあります。
荷物はロッカーに預けましょう。
わずか数百円のロッカー代金をケチって大きな荷物を持ち込んで、他のお客さんとのトラブルになるのは本当にもったいないのでやめたほうがいいです。
お互いに嫌な思いをします。
基本的にはオルスタの観客席に荷物を持ち込む行為自体がかなりの悪だと認識してください。
チケットの番号が早い場合
チケットの番号が早い場合は、ライブハウスのコインロッカーに荷物を預けている間に、他の人がどんどん前のいい位置に陣取ってしまいますので、事前に最寄り駅のコインロッカーを使いましょう。
その際に、駅で最低限の格好になってしまいましょう。
しかし、寒い冬の日のライブの場合はどうすればいいの? と思うかもしれません。
答えはひとつです。
ひたすら耐えろ。
お助けアイテムとして、外で待っている間に着ておいて、ライブハウスではたたんでズボンの尻ポケットに収納できるダウンジャケットがあるので、極寒の北海道でのライブなんかでどうしても耐えられない場合は利用してもいいでしょう。
僕も何度もお世話になっています。
ただし、袖ありのダウンジャケットはズボンのポケットに収納できないので、絶対に袖なしにしましょう。
袖なしなら、キッチリと丸めればズボンのお尻ポケットに収まります!
また、比較的大きなライブハウスになると、ロッカーではなく袋に荷物を入れて預かってくれるクロークサービスがあります。
大きなゴミ袋ビニール袋に入るだけ荷物を詰め込んで預ける事ができます。
料金はだいたいロッカーより数百円高いです。
ただし、ほとんどのクロークサービスは、一度預けた袋の中身を途中で出し入れする事はできないので、チケットや財布を入れてしまったりしないように注意が必要です。
ここで、チケットの番号が遅い場合は、気が楽です。
ゆっくりとライブハウス内のコインロッカーを使えます。
チケットの番号がいいなら、入場前にロッカーやクロークに荷物を預けてしまおう!
そして、チケットやドリンク代(後述します)をロッカーに入れないように!
チケットの他にドリンク代が必要
どこのライブハウスも、入場するためにはチケットの他にドリンク代が必要です。
ドリンク代は500円のライブハウスがほとんどです。
たまに600円のところもあります。
500円を払うとドリンクチケットをもらえます。
ここは確実に500円玉を用意しておいてください。
100円玉を5枚だと、スタッフが確認するために時間がかかってしまい、せっかくチケットの番号が早くても、もぎり列が複数あった場合に、自分より番号が遅い人に先に入場されてしまいます。
わずか数秒の差で最前列を逃したら悔しいですよ!
50円玉や10円玉なんかは論外だし、高額紙幣での支払いもダメです。
もし1万円札なんか出したら、お釣りを何度も確認されて10秒以上待たされるどころか、後ろに並んでいる人に罵声を浴びせられても文句言えません。
もしチケットの番号が早い場合
チケットの番号が早い場合は、ライブ前にドリンクカウンターに行ってドリンクをもらうなんていう行為は絶対にしてはいけません!
せっかくチケットの番号が早いのに、ライブ前にドリンクをもらいに行くと、その間に他の人がどんどん前のほうに行ってしまいます。
わずか数秒の差で最前列を逃したら悔しいですよ!
チケットの番号が早いならドリンクはライブの後にもらいに行く
また、生ビールなどのカップで提供されるドリンクは、ライブが始まったら人とぶつかってこぼしてトラブルの元になるので、もらったらすぐに飲みきってしまったほうがいいです。
「お前がぶつかってきたからこぼれてしまった」という言い訳はまず通用しないと思ってください。
基本的にはライブが始まってもドリンクを持って突っ立っている行為自体が悪だと認識してください。
アクセサリーや髪型にもご用心!
腕時計やイヤリングは外したほうが無難です。
腕時計はとなりの人の顔を引っかく可能性があるし、イヤリングは吹っ飛びます。
ピアスも長いヤツはやめましょう。
最悪、人の手がピアスをつかんで耳たぶが裂けます。
メガネもスタンディングのライブでは、よく踏まれて割れているのを見かけます。
使い捨てのソフトコンタクトレンズにするといいかもしれません。
ロングヘアの女性は、後ろの人に髪をつかまれたりするので、お団子などのアップスタイルがおすすめです。
また、ロングヘアで激しい動きをすると、周囲の人のメガネを飛ばしたり、目に入って失明させる可能性もあるので、お互いにロングヘアはよろしくありません。
ただし例外として、ロックバンド系などでのヘドバン(ヘッドバンギング。激しく頭を振る行為)現場では、その限りではありません。
トイレは事前に済ませておく
これはチケットの番号が早いなら特に注意してください。
せっかくいい位置を確保したのに、ライブが始まる前にトイレに行きたくなってしまったら……。
もしトイレに行ったら、ほぼ確実に元の位置には戻れません。
周囲のお客さんに声をかけても無駄です。
少しでも前でライブを観たいと狙っている人がウヨウヨしているスタンディングのライブ会場では、一般的な行列の常識は通用しません。
必ず、トイレは事前に済ませておきましょう。
トイレが近くなるビールやウーロン茶も避けましょう。
チケットの番号が早いなら入場前にトイレを済ませておきましょう。
ライブが始まってからが本番
これまで書いてきた事だけでもいろいろありましたが、これからが本番です。
ライブが始まってからのルールやマナーはかなり重要です。
なお、ここから先に書いてある事は基礎知識というだけでなく、本当に理解していない状態で激しいライブに参加すると負傷者が出たり、最悪の場合は死人が出ます。
これは脅かしているわけではありませんが、もしライブ中に死傷者が出ると、ライブハウスがその管理体制を問われて閉鎖に追い込まれたり、ライブをしたアーティスト自体の存続が危ぶまれたりするので、ファン全員で気をつけるようにしてください。
モッシュに気をつけよう
「モッシュ」というのは、ライブ中に突然発生する「ヤバい押しくらまんじゅう」の事です。
一応この記事は「アイドルのスタンディングライブ」を前提として書いているのであんまり発生しないとは思いますが、会場にピンチケ厄介がいると起こってしまうかもしれません。
一度経験してみないと想像しにくいと思いますが、本当に危険です。
何も知らずに巻き込まれたら怪我をしてしまう可能性が高いです。
楽しみにしていたライブでケガなんかしたら嫌ですよね。
対策としては、モッシュが発生したらすぐにその中心から離れたり、柵につかまってひたすら耐えるくらいでしょうか。
また、くれぐれもモッシュでぶつかってくる人に対してキレないでください。
相手はあなたとライブを楽しもうとしているだけです。
モッシュが嫌ならすぐに逃げれば、相手もすぐにわかってくれます。
初めてモッシュを目撃したら、あんまり気軽に参加しない方がいいと思います。
見た目よりも当たりは強烈ですし、自分が転ぶと周囲にとても大きな迷惑がかかります。
また、モッシュ中に転んだ人がいたら、周囲の人が全員で協力してすぐに起こしてあげましょう。
これはルールです。
助けてあげないと、ケガ人が出てライブが中止になってしまう事もあります。
ダイブに注意しよう
スタンディングのライブでは、しばしば「ダイブ」と呼ばれる行為をする人が、後ろから大玉転がしのように観客の頭上を運ばれてきます。
どうしてそういう状況になるのかはとりあえず疑問に思わないでください。
とにかく人が頭上を運ばれてきます。
このダイバー(ダイブをする人)は、たくさんの客によってステージ方向に運ばれていきます。
最前列まで運ばれると、そのままコロンとステージ前の床に投げ捨てられ、警備員によって速やかに追い出されます。
慣れていないダイバーは、恐怖心から手や足をバタバタさせて、落ちないように下のお客さんの頭や肩をつかもうとします。
「恐怖心があるならダイブするなよ」とツッコミたくなる気もしますが、そういうダイバーが実はいちばん危険です。
蹴られて歯が折れたり、指で目を突かれたりします。
もしダイバーに頭や顔を蹴られたら、スーパーマリオが「?」ブロックを叩くように、ジャンプ腹パンで仕返しをしてもいいと僕は思います。
ただ、トラブルは避けたいですよね。
だいたいダイブが発生する曲というのは各アーティストで決まっているので、ステージの方で警備員が活発な動きをしていたら警戒した方がいいでしょう。
また、慣れないうちはダイバーが自分の頭上に来る前に姿勢を低くしてしまうのも手です。
関わらないようにするのもいいと思います。
本当に慣れているダイバーは、プールで浮き輪の上に乗っかっているようにフワフワしています。
そういうダイバーが頭上に来たら、協力して運んであげてもいいでしょう。
※ちなみに「ダイブ」はステージから客席に飛び込む事で、上の行為は本来なら「サーフ」ですが、今は「ダイブ」でも意味が通じます。
痴漢行為と冤罪に注意しよう
女性なら、どさくさにまぎれて痴漢行為をしてくる人に注意して下さい。
また、ちょっとしたきっかけで触られてしまった場合は、寛大な心で許してあげて下さい。
男性なら、絶対に痴漢行為をしないで下さい。
通勤電車内と違って、ライブ会場では痴漢の冤罪はないと思いますが、妙に馴れ馴れしい女性には注意したりは必要かもしれません。
最前列は天国だけど2列目~5列目は地獄
最前列に位置取れたら、最初から最後まで目の前の柵から手を離さないようにしていれば、最高のライブが楽しめます。
ただし、その後ろの5列目あたりまでのエリアは本当に地獄です。
柵のようなつかまる物がない上に、周囲は隙あらば前に行ってやろうと狙っている猛者ばかり。
左右からギューギューに押されるし、後ろの人からは背中にヒジを入れられるかもしれません。
髪の毛はつかまれるし、足もバンバン踏まれます。
たまに顔を真っ赤にして「押すな馬鹿野郎!」と怒り出す人がいますが、このエリアに自分から来ておいて怒るのは非常にカッコ悪いのでやめましょう。
ここは、そういう場所です。
もし殴られたように感じても、すぐに仕返しをしないで様子を見ましょう。
故意にやってきているならすぐにわかります。
もし自分が殴ってしまったら、アイコンタクトですぐに謝れば相手はわかってくれるはずです。
背の低い女性がこのエリアに来ると、慣れていない場合ほぼ間違いなく酸欠状態になって運ばれるので、本当に注意してください。
かといって、ヒールを履いて来ないでください。
足を踏まれた相手は死にます。
他人をかき分けて前に行くのはステージ上からはバレバレ
たまにライブが始まる前は後ろの方にいたのに、ライブが始まると強引に他人をかき分けて気がついたら最前列の柵をつかんでいるような人がいます。
これは本人の努力はすごいと思いますが、ステージ上にいるアーティストからの印象は最悪です。
ステージの上から見ると、下の観客エリアで誰がなにをしているのかは、お客さんが想像している以上に丸わかりなんです。
前にいる人の髪を掴んだり、ヒジを入れたりという直接的な攻撃はもちろん、最前列の柵を掴んで強引に足を入れて割り込もうとするのもバレバレです。
ステージ上のアーティストからは、ほぼ確実に「こいつは悪いファンだな」と認識されます。
ライブハウスの入り待ちや出待ちなんかで塩対応される人は、このあたりを胸に手を置いて考えてみましょう。
意外とやらかしているんじゃないでしょうか?
最前列死守術
せっかく最前列にいても、慣れていないとライブが始まるとあっという間に後ろの方に投げ出される事もあります。
これはこんな記事を読んだところで身に付くものではなく、何度も経験を積むしかないんですが、とりあえず解説だけしておきます。
とにかく両手で柵を掴んでおく
慣れていないうちは、ライブが始まったら終わるまでとにかく両手で柵を掴んでおきましょう。
盛り上がって両手を上げた瞬間に割り込まれる事もあります。
柵を抱え込むようにするのが最強スタイルなんですが、後ろからの圧が強すぎると胸骨が折れるので注意です。
僕は2回胸骨を折っています(笑)
後ろから柵を掴んできた手は剥がしてもOK
後ろから手を伸ばして柵を掴んで最前列に割り込もうとする相手がいたら、こちらもその手をヒョイと剥がしてしまいましょう。
これは悪いことではありません。
割り込みに慣れている人は本当に一瞬の隙をついてくるので、気をつけましょう。
脚を肩幅くらいに広げて絶対に閉じない
脚を閉じてしまうと、それだけ隙ができます。
少なくとも自分の肩幅くらいには脚を開いておきましょう。
脚を閉じてしまうと、左右からの圧縮に非常に弱くなり、たいてい端側に追いやられてしまいます。
これらのテクニックを駆使すると、最前列にいる際にかなり割り込まれなくなります。
しかし実際にそういう目に遭わないと、初見ではたぶん一瞬でやられてしまうと思います。
こればっかりは場数を踏んで下さいとしか言えません。
最前列の事情に慣れてくると「この人は割り込んできそうだな」「この人は慣れてないからすぐに割り込まれそうだな」というのがわかるようになります(本当です)
あたなが男性なら、痴漢の冤罪みたいな感じで割り込みを狙ってくる女性もいるので注意しましょう。
オドオドしていたら、捕まってしまうかもしれませんよ!
また、最前列の駆け引きに慣れていないと、押してきた相手にキレてしまい、ケンカに発展する事もあります。
ライブハウスも面倒は御免なので、わりとカジュアルに警察に通報してくれます(笑)
ケンカになってからは、先に手を上げると確実に負けです。
初めての最前列では、本当に嫌な思いをするかと思います。
どうか我慢して下さい。
慣れてください。
まとめ
この記事を読めば、少なくとも初めてのスタンディングライブでも恥ずかしい思いや、つまらない思いはしないで済むはずです。
ただ、最前列付近だけは本当に気をつけて下さい。
上の「最前列死守術」も参考にしてみて下さい。
体格に自信がない女性は、どんなにチケットの番号がよくても、センター最前より左右の端っこに陣取った方がいいかもしれません。
(基本的にみんな前へ前へ、センターへセンターへと割り込んでいこうとするので)
また、ライブは手ぶらが基本ですが、どうしてもそういうわけにいかない場合もあるでしょう。
そういう場合は、こういったコンパクトなボディバッグがいいと思います。
伸縮素材でできているのでペットボトルの水が収納できるし、身体に密着するので周りの人にも迷惑になりません。
ひとつ持っておくとライブだけでなく、ジョギングや釣りなどにも重宝します。
それではどうか皆さん。
ケガや嫌な思いをしないで、スタンディングのライブを楽しみましょう!
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コメント
はっきり言って、スタンディングは満員電車と同じというのは同意です。
よくスタンディングにしろスタンディングにしろ言う奴らがいますが、
ですので、そんなにスタンディングが好きならもう新幹線でも立ってくださいと言いたいです。