なぜかファミコンゲームの記事が多くなってきましたが、今回は「プロレス」の紹介です。
1986年に任天堂から発売された、ディスクシステムのゲームです。
ディスクA面だけのゲームなので、B面には別のゲームを書き込むことができます。
片面でこれだけ楽しめるゲームは、ディスクシステムにはそう多くはありません。
残念ながらタッグマッチモードはありませんが、2人用の対戦モードがあるので、プレイヤー同士で戦うこともできます。
また、ディスク片面ゲームの宿命でセーブ機能はありませんが、1時間ほどでクリアは可能です。
プロレスのストーリー
プロレスのストーリーというより目的は「FWA」と「FWF」という両タイトルを獲ることです。
まずは挑戦者として「FWA」のタイトルを獲り、そこから防衛戦に勝ち続け、「FWF」の王者に挑戦。
勝利すると晴れて二冠王となり、エンディングを迎えます。
個性豊かな6人のレスラーたち
ここで「プロレス」に登場する個性豊かな6人のレスラーを紹介します。
各レスラーには固有の必殺技があり、どれも強力です。
ファイターハヤブサ
必殺技
解説
このゲームにおける、ほぼ主人公的存在。
モデルとなるレスラーは、とくに説明の必要はないだろう。
必殺技の延髄斬りを出すために、相手と組み合う必要がないので、基本となる投げ技をすべて使えるのが最大の強み。
延髄斬りが命中する間合いはかなり狭く、覚えないとほぼ空振りする。そして空振りすると体力が減る。
延髄斬りのダメージにはどうも特別な補正がかかっているようで、試合開始時には何度命中させても相手のダメージはほとんどないが、相手にそれなりのダメージを与えてから延髄斬りを繰り出すと、20秒近く起き上がってこないようなことがしばしばある。
まさに「必殺技」といったところか。
また、裏技的な要素として、確実に延髄斬りを命中させるテクニックがある。
「ダウンさせた相手と自分のパンツの位置を重ねてAボタンを連打」
若干位置取りにコツが必要だが、一度覚えたら面白いように延髄斬りがヒットする。
しかし、延髄斬りをヒットさせると両者の位置が下にズレていくので、永遠にヒットさせることは不可能。
スターマン
必殺技
フライングクロスチョップ(相手をロープに投げて戻ってくるところでA)
解説
空中殺法を得意とするマスクマン。
フライングクロスチョップの威力と当てやすさは、特筆モノ。
サマーソルトキックのコマンドが通常技のパイルドライバーとかぶっているため、パイルドライバーを出すことはできない。
同様の理由で、ラリアートも出すことができない。
後述するが、このゲームをクリアするのがいちばんラクなレスラー。
キン・コン・カーン
必殺技
解説
韓国からやってきた、全身凶器のカラテファイター。
外見は中国人っぽいしカラテは日本の格闘技だしで完全に謎のレスラーだが、地味に強い。
通常技のソバットとパンチが、それぞれ必殺技に置き換わっているので、序盤の小競り合いに有利。
上級者同士の対戦プレイなら確実に強いが、CPU戦だと地味で飽きるかもしれない。
ジャイアント・パンサー
必殺技
解説
「人間最終兵器」と呼ばれる褐色のレスラー。
必殺技のコマンドがパイルドライバーとバックドロップと同じなので、大技がブレーンバスターしかない。
プロレスの試合運びにこだわりがある人だと、使っていても飽きてしまうかもしれない。
ジ・アマゾン
必殺技
凶器攻撃が終わってからレフリーに「持ってないですよ」アピール。芸が細かい。
解説
外見は完全に半魚人。
必殺技が凶器攻撃とかみつきという、完全にダーティーレスラー。
ジャイアント・パンサーと同じ理由で、使っていてもいまいち楽しくないのが欠点か。
キング・スレンダー
必殺技
解説
必殺技のシュミット式バックブリーカーが強い。
相手と組んでからAボタンを押すだけなので、バックドロップやパイルドライバーのコマンドにも干渉しない。
しかもダメージは全レスラーの必殺技の中でも最大級。
CPU戦では「FWA」タイトル保持者なのも納得。
基本技の解説
各レスラー固有の必殺技以外の基本技についても紹介しておきたいと思います。
走る
(←←または→→)で走ります。
横方向のみで、縦方向には走れません。
ローリングソバット
このゲームにおいて、普通のキックはありません。
基本のキックはローリングソバットになります。
ダメージはたいしたことありませんが、命中すると相手は確実にダウンする特性を利用した、とんでもない裏技があります。
対戦プレイでの使用はほどほどに……
ダウンした相手と自分のつま先の位置を合わせてAボタンを連打しておくと……
相手が起き上がった瞬間にローリングソバットが命中して、相手は再度ダウンします
パンチ
このゲームでいちばん地味な技ですが、パンチがヒットして倒れた相手からフォール勝ちを奪えるシーンもあります。
間合いを覚えて損はありません。
ボディスラム
試合の組み立てにおいて重要な技です。
このゲームにおいては、トップロープからのダイビング攻撃のために使うことが多いと思います。
また、相手がロープを背にした位置で出すと、相手を場外に投げ飛ばすことができます。
ハンマースルー
プロレスにおいて相手をロープに投げると、そのまま返ってくる例の不思議な技です。
ここからラリアートやジャンピングニーアタックに繋げることができます。
画面は、場外乱闘でロープのかわりに柵に投げたところです。
ラリアート
ジャンピングニーパット
ラリアートもジャンピングニーパットも、CPU戦ではなかなか決まらないでしょう。
というのも、このゲームでは、ロープに投げられてもロープに触れるところでボタンを連打すれば止まることができるからです。
ちなみに難しいですが、ロープに投げて返ってきた相手にはソバットやパンチはもちろん、なんと延髄斬りも当てることができます。
ブレーンバスター
大技のブレーンバスターです。
相手のダメージがほとんどないときに出すと、返されてしまいます。
お互いのダメージをよく考えてから使うようにしましょう。
なお、ロープを背にして出すと、相手を場外に落とすことができます。
パイルドライバー
大技のパイルドライバーです。
相手のダメージがほとんどないときに出しても、踏ん張られてしまいます。
ブレーンバスターは出せてもパイルドライバーは出せないことがあるので、ブレーンバスターよりも相手の体力を減らしていないと出せない技だといえます。
バックドロップ
ブレーンバスターやパイルドライバーとちがい、序盤からバンバン出していける技。
個人的には、バックドロップが使えないレスラーはどうしても見劣りしてしまいます。
相手がロープを背にしている位置だと出せないので注意!
フライングボディプレス
プロレスの試合において最大の見せ場といっても過言ではない大技です!
しかし、このゲームのトップロープはリング上部左右の2本だけなので注意が必要です。
意外と遠くまで届くので、積極的に狙ってみましょう。
フライングニードロップ
フライングボディプレスと同様です。
見た目的には、こちらのほうが数倍痛そうです。
ボディプレスもニードロップも、技を出される側は、体力が残っている状態であれば、ボタン連打で転がって回避することができます。
ブランチャー
(場外で倒れている相手に向かって横軸を合わせてAを押しながら→→または←←(相手方向))
場外乱闘で最高に盛り上がる大技です。
ブランチャーを実装しているから、この「プロレス」というゲームが絶賛されたといっても過言ではありません。
ちなみに場外に出てしまうと実際のプロレスと同じで20カウント前にリングに戻らないと負けになってしまいますが、このゲームではリングの下側からでないと戻れないので要注意!
この記事をtwitterでリツイートしてくださった方が、「この技はブランチャーではなく、プランチャではないか」と指摘されていました。
しかしながら、僕はこのゲームを当時からクラスメイトと何度も遊んだ経験を鮮明に覚えており、その誰もが確かにブランチャーと呼んでいました。
気になって調べてみると、どうやら説明書の表記はブランチャーであって、本来のプロレス技の名称としてはプランチャが正しいようです。
それを確認できたサイトを紹介しておきます。
ありがとうございました。
僕は子供の頃に金曜の夜に新日本プロレス、土曜の夕方に全日本プロレス、日曜の朝に女子プロレスをテレビで観ていた程度のニワカなのですが、テレビでこの技を「ブランチャー」「プランチャ」と実況アナウンサーが言っているのを見た事がなかったので、ずっと勘違いしてしまっていたようです……。
この記事はあくまでこのゲームの解説が目的なので、技の名前は「ブランチャー」のままにしておきます。
フォール
3カウントを奪えば勝利するという、プロレスの勝敗を決める上でいちばん多い決まり手です。
このゲームの勝敗は、フォールによる3カウントか、場外での20カウントのふたつしかありません。
必然的に、大ダメージを与えてからのフォール勝ちが多くなると思います。
体力が残っているうちは、ボタン連打でフォールを跳ね返せます。
ちなみに(倒れている相手の近くでB)で、相手を無理やり起こせます。
CPU戦必勝法
このゲーム、いままで長々と解説してきましたが、いちばん確実な攻略方がひとつだけ存在します。
それは、連射装置です。
相手と組む直前から連射ボタンを押しっぱなしにしていれば、ほぼ確実にこちらの技が出るのです。
逆に言うと、連射に自信のないプレイヤーがこのゲームをクリアするのは、かなり難しいです。
連射装置がない場合は、どうしたらいいのか。
そこで活躍するのが、スターマンです!
強制フライングクロスチョップ
スターマンの必殺技、フライングクロスチョップには、とんでもない仕様が存在します。
それはなんと、
「倒れている相手に出すと、相手が勝手に起き上がって命中する」
という、おそろしいモノです。
画面で説明するとこうなります。
フライングクロスチョップを当てたらそのままロープに向かって走る
相手が勝手に起き上がってフライングクロスチョップを食らってくれる!
相手のダメージが蓄積していくと、延々とフライングクロスチョップ祭りになります。
極端な話、フライングクロスチョップだけで……
それどころか、フライングクロスチョップだけで……
対戦プレイもぜひ!
このゲームの真髄は対戦プレイにあります。
ぜひとも連射装置なしで遊んでみてください。
組んだ瞬間に必死にボタンを連射するのも楽しいし、場外で14カウントあたりで相手をハンマースルーで柵にぶつけて逆転勝利したり、ソバットハメ・延髄ハメ・クロスチョップハメでケンカになったりと、盛り上がる事必至です。
あらゆる場面で笑いが起こる事を保証します!
豆知識
知っておくとこのゲームがますます楽しくなる情報をいくつか紹介します。
レスラーの体力の目安
レスラーの体力は画面に表示されていませんが、効果音である程度わかるようになっています。
「ポロポロポロ……」という音が鳴ると、体力はおよそ半分くらいです。気をつけましょう。
「ブピーブピーブピー!」という音が鳴ると、かなりピンチの状態です。
この時点ではフォールされても返せますが、あと1回ブレーンバスターやパイルドライバーのような大技をもらうと返せません。
ちなみに体力は時間がたてば回復しますが、技をもらわないように逃げ続けるのはかなり慣れていないと難しいと思います。
アナウンサーと解説者にも注目!
アナウンサーと解説者も、どこかで見た事があるような顔をしています。
技が決まるたびに反応するので、余裕ができたら観察してみましょう。
レフリーとカメラマンの動きがすごい!
じつはこのゲーム、レフリーとカメラマンの動きを注意して観察すると、とてもよくできている事がわかります。
当時のビデオゲームのほとんどは、動くキャラクターを「スプライト」というしくみで制御していたのですが、ファミコンの場合は横にいくつもスプライトが並ぶとキャラクターがちらついてしまうという問題がありました。
「ドラゴンクエスト3」なんかで見た事がある人が多いと思います。
で、このゲームのレフリーとカメラマンなんですが、レスラーと横に並ばないように自然な感じで動きます。
ゲームに慣れてきたら、そのあたりもよく見てほしいと思います。
本当によくできているゲームなんです!
まとめ
ファミコン版の「プロレス」ですが、いまやっても楽しめる素晴らしいゲームです。
これ以降のプロレスゲームでは、「組み合った瞬間にコマンドを入れる方式(タイミング重視。連射は無効)」となっていったようです。
僕の記憶しているプロレスゲームですと、ファイヤープロレスリングシリーズや、スーパーファミコンの「全日本プロレス」が、そういったシステムでした。
ちなみに、この記事ではわざと書いていない事があります。
それは、FWAタイトルを保持しているレスラーについてです。
レスラーの名前は「グレート・プーマ」です。
見ればすぐにモチーフとなったレスラーが誰なのかわかると思います。
グレート・プーマは、一部の選手の必殺技を使いこなすうえに、彼独自の必殺技も持っています。
そして、グレート・プーマをプレイヤーが使う事はできません。
使えるようになる裏技も存在しません。
そこまで勝ち上がっていけたなら負ける事はないと思いますが、ぜひ自分の目でその姿を確かめてみてください!!
強力な必殺技をワザと受けても耐えて、あえてプロレスらしい試合をするのもおすすめです!
コメント
Nintendo Switch Onlineのサービスのひとつ「ファミコン」に、当「プロレス」が収録されてて小躍りしました。
2018年9月28日現在、説明書的なサービスがないのですが、こちらのサイトが大変タメになりました。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
最近、妙にこの記事が読まれているなと思ったら、Nintendo Switch Onlineの影響なんですね。
お役に立てたようで、こちらも嬉しく思います。
ヘッドバッドではなくヘッドバット、ニーパットではなくニーバットだと普通は思うんですが・・・公式でそうなってるんでしょうか?