つい先日インターネット上で、アイドルヲタクにとっては興味深いニュースを目にしました。
ヲタ芸訴訟 男性の控訴棄却「鑑賞の仕方はさまざま」
ニュースサイトでは、古い記事は消える事がよくあるので引用します。
アイドルのライブでファンがかけ声を出す「オタ芸」のせいで演奏が聞こえなかったとして、観客の男性が主催者側に約100万円の損害賠償やライブのやり直しを求めた訴訟があり、大阪高裁は27日、訴えを退けた1審判決を支持し、男性の控訴を棄却した。田中敦裁判長は「音楽鑑賞の仕方はさまざまで、観客のかけ声は雰囲気を高揚させる側面もある」と指摘した。
訴えられたのは、ライブを主催したラジオ関西(神戸市)と神戸出身のご当地アイドル「コウベリーズ」のメンバー(当時)など。
男性は2014年1月、神戸市内でライブを鑑賞。一部のファンが曲に合わせて「オー、オー、オー」などと大声を出したため演奏が聞こえず、主催者は退場させるなどの対応を怠ったと主張した。
田中裁判長は「オタ芸を迷惑と非難する意見がある半面、雰囲気を高揚させる側面もある」と指摘。ライブはかけ声を禁じておらず、主催者側にファンを退場させる義務はなかったと結論づけた。
オタ芸は熱狂的なファンの応援で、かけ声だけでなく、曲に合わせてジャンプしたり、ライトを振り回したりする。斜め上から腕を回す「ロマンス」や直立不動の「タイガー」などの呼称がある。【原田啓之】
このニュースは、いろいろと考えさせられるものがあります。
今回はちょっとそのあたりに触れてみようと思います。
「ヲタ芸」は大声を出す行為ではない
こんな指摘を一般人である記者にしても仕方がないのですが、基本的に大声を出す行為は「ヲタ芸」ではありません。
ヲタ芸とは、初めてアイドル現場に来た人が見たら確実にドン引きするファンによる異様な踊りの事です。
今回の原告側の男性が言う「曲中に大声を出す行為」は「MIX」「コール」「口上」のどれかでしょう。
ヲタ芸ではありませんね。
原告はアイドル現場初心者の可能性が高い
一般の方は想像できないかもしれませんが、アイドルのライブ中にファンが大声を出すのはいたって普通の事です。
よくテレビの歌番組でジャニーズアイドルの曲が流れますが、観客の女性たちは「キャーキャー」と黄色い声を上げていますよね。
それと同じで女性アイドルの現場では、観客の男性たちが「うおーうおー」などと野太い声を上げるのです。
つまり、この原告の男性は、女性アイドルグループの現場に行き慣れていない初心者の可能性が高いと思われます。
慣れていたらまずそんな不満を抱きませんし、むしろ大声を出す側になっているでしょう。
また、「ファンがかけ声を出す「オタ芸」のせいで演奏が聞こえなかった」とあるので、ガヤがウザいとかでもありません。
「ガヤ」というのは、曲と曲の間のMC中に大声でアイドルにちょっかいを出す上級者向けの行為です。
もしこれが迷惑だったのなら、この男性が訴訟に踏み切っても構わないと思うくらい、ウザいガヤは迷惑です。
特にアイドルが話しているところに被せてくるガヤほど迷惑な行為はありません。
裁判長がドルヲタの可能性
それにしても、判決を下した裁判長の「音楽鑑賞の仕方はさまざまで、観客のかけ声は雰囲気を高揚させる側面もある」という指摘が気になります。
むしろ、この裁判長の方がアイドル現場に詳しいのではないかと思ってしまいます。
仲良くなったヲタクに仕事を聞いて「いやー、ちょっとした法律関係ですw」と言われたら、裁判長だったなんて可能性もなきにしもあらずですね。
でもよくニュースを見たら今回は二審なので、一審で判決を下した人物がドルヲタの可能性が高いかもしれませんね……。
そんな事ないですかね……。
対象アイドルのサイトを確認
念の為、原告の男性がライブを観に行ったアイドルの事も確認してみましょう。
KOBerrieS♪(コウベリーズ)の公式サイトを見ても、特にライブ中の禁止事項などは書いていないようです。
ファンが過激なアイドルグループになると、ビッシリと書かれていたりするのですが、そうでもないみたいですね。
まとめ
「ライブは生モノ」という言葉があります。
ライブは毎回1回きりのもので、たとえ同じセトリ(曲目)であっても同じ内容のライブはひとつもないという意味です。
ライブの演奏が聞こえなかったと訴訟を起こすくらいなら、CDを買って聴いた方がいいです。
ライブは何が起こるかわからないからライブなので。
もちろん近くの人が暴れてケガをさせられたとか、メガネを割られたというのであれば弁償なり訴訟なりなんでもするべきです。
それは事故や事件ですから。
しかし「大きな声援で曲が聞こえなかった」という理由で訴訟を起こすのは、ちょっと同意できないかなあというのが正直な感想です。
憧れのアイドルの曲が生で聴けると楽しみにしていたのはわかります。すごくわかります。
しかし現場の空気というのは、アイドルグループによって全然違うんですね。
アイドルを好きになった人みんなが、曲もライブも好きなアイドルを見つけられれば、最高だと思います。
コメント