「スーパーアレスタ」は、1992年に東宝より発売されたスーパーファミコン用の縦スクロールシューティングゲームです。
知名度では「グラディウスⅢ」「スーパーR-TYPE」あたりに比べてイマイチな感もありますが、ゲーム内容では決して引けを取りません。
開発は「アレスタ」「ザナック」「ガンヘッド」でおなじみのコンパイルです。
コンパイルのシューティングというだけで、面白いゲームだと約束されているようなものです。
この記事を読んでくれる人にはどうでもいい情報ですが、僕がスーパーファミコンを手に入れてから最初に買ったゲームでした。
きめ細かい設定ができるオプション画面
ゲーマーあるあるとして、「まずオプション画面を開く」というのがありますが、このゲームにおいても例外ではありません。
当時は他のゲームでは、クリアしたり裏技を使わないと入れなかったようなサウンドテストモードが最初から用意されている点がポイント高いです。
コントローラーの反応を確かめることができる「PAD TEST」モードもマニアックです。
極めつけはこの「おまけ」です。
スーパーファミコンの拡大縮小回転機能を好きなだけ楽しめるモードです。
当時はこれを30分以上すげーすげー言いながら遊んだものです。
「トリガせってい」は、いわゆるキーコンフィグですが、特別な事情がない限りデフォルトのままで問題ないでしょう。
Lボタンでゲームをポーズできるのが工夫されているなという印象です。
このオプション画面でどうしても納得できない項目がひとつだけあります。
それはサウンドがデフォルトだとモノラルになっているところです。
デフォルトがステレオになっていれば、難易度変更以外でオプション画面を開く必要はありませんね。
難易度設定は5段階ありますが、並び順を見るだけだと騙されます。
簡単な方から並べると
NORMAL < HARD < HYPER < とりっきー < るなてぃっく
となります。
「とりっきー」「るなてぃっく」に関しては、敵を倒した瞬間に弾が飛んでくる、いわゆる「撃ち返し弾」が発生します。
また、このゲームの撃ち返し弾の恐ろしいところは、障害物を破壊しても発生するところです。
たとえば、この壁を破壊すると……
大量の撃ち返し弾が襲いかかってきます!
個人的には無理ゲーだと思っていますが、クリアできる猛者がいるかもしれません。
オプション画面については、これくらいで。
「スーパーアレスタ」の基本ルール
まずは画面に表示されている情報を覚えてしまいましょう。
①点数。スコア。
②自機のスピード。SELECTボタンで1段階ずつ変更できる。
③自機が装備している武器の番号
④自機が装備している武器の略称とレベル
⑤残機数
⑥ボム数
いくつかの項目だけ解説が必要ですね。
②のスピードですが、このゲームではスピードアップのようなアイテムはありません。好きなときに好きなように自機のスピードを調整できます。
③の武器番号については後述します。
④の武器レベルは重要です。
武器のレベルはゲームスタート時には0ですが、最大で6まで上がります。
レベル5~6のときに敵や弾にぶつかると、レベルが2になります。
レベルが2~4のときに敵や弾にぶつかると、レベルが0になります。
そして、レベルが0~1のときに敵や弾にぶつかると、自機を1機失います(いわゆる1ミス)。
こう書くと複雑そうに見えますが、プレイすれば簡単に理解できます。
⑤の残機数も重要です。
この画面だと残機数は2ですが、左側の自機だけオレンジ色になっています。
もしミスをしても、このオレンジ色の残機数だけ、いわゆる「その場復活」ができます。
オレンジ色の残機がない場合は、エリア最初に戻されての復活になります。
オレンジ色の残機数を増やす方法については後述します。
「スーパーアレスタ」の武器は8種類
「スーパーアレスタ」には8種類の武器が登場します。
また、それぞれの武器はRボタンを押すことにより、2パターンの使いわけができるので、厳密にいうと16種類の武器が存在することになります。
(さらに厳密にいうと、1番の武器はRボタンを押すごとにショット方向が変化するので、20種類くらいの武器が存在することになります)
画面に映っている、数字が書かれたオレンジ色のアイテムが武器です。
数字は武器の番号です。
以下、各武器について説明します。
画面はすべてレベル6の状態です。
1 マルチショット
画面表記はMUL。
ゲームスタート時の初期装備。
いわゆる「通常ショット」。
Rボタンを押すごとに前後左右斜め方向に攻撃を集中できる。
どんな状況にも対応できるのが最大の強みで、入り組んだ地形に隠されたアイテムを取る際にとても役に立つ。
また、レベル6で前方集中したときの攻撃力は、おそらく全ての武器の中でも最強。
欠点は、敵弾を消せない点。
幅広い攻撃範囲を利用して、敵が弾を撃つ前に撃破していくのが基本的な運用方法。
レベル0では他の武器はほとんど使い物にならないが、マルチショットはそこそこ使えるので、「困ったら1番の武器」と覚えておいて損はないだろう。
2 レーザー
前方に進む青いレーザーを4本発射。
両サイドのレーザーは広い範囲を蛇行しながら進む。
Rボタンを押すと、前後に直進する青いレーザーを2本、サイドから自動で敵を狙うオレンジ色のレーザーを2本発射。
画面表記はLAS。
このゲームにおいてほぼ最強の武器。
なにも考えずにレベル6のオレンジ色のレーザーが出る攻撃モードにしておけば全エリアをクリアできてしまう。
しかし、慣れていないとエリア2とエリア8では、オレンジ色のレーザーが硬い敵に攻撃をし続けている間、自機の周りが手薄になってしまうので、運用にはある程度の知識と技術が求められる。
また、レベル5以下では一気に頼りない武器になってしまうので、いかにレベル6を維持し続けるかが課題。
ちなみに青いレーザーもオレンジ色のレーザーも、敵弾を消すことができる。
この武器の装備時には、通常ショットは出ない。
3 サークル
自機の周りを緑色の球体が回転。Rボタンを押しっぱなしにすると球体の回転が止まる。
画面表記はCIR。
敵弾をかき消しながら回転する球体の存在感は必見。
しかし、高速で飛んでくる弾は意外と球体をすり抜けてくるので油断は禁物。
Rボタン押しっぱなしで球体を硬い敵に重ね続けるという、防御というよりはむしろ攻撃に使う方が強い。
また、弾を消したり敵にダメージを与えている球体は、緑色からオレンジ色に変化する。
この武器も、レベル5以下ではかなり心細いので、レベル6限定での運用がよいだろう。
なにげに通常ショットが強い。
4 オールレンジ
十字キーを入れている方向に敵を貫通する範囲の広い高威力の青白い弾を連続で撃ち出す。
十字キーの入力がない場合は前方へ。
Rボタンを押しっぱなしにすることにより、攻撃方向を固定できる。
これにより8方向への集中攻撃が可能。
画面表記はALL。
攻撃力は強い。本当に強い。
しかし、敵弾を消せないのと、1番のマルチショットと違いRボタンを押しっぱなしにする必要があるのが難点。
武器の性質上、エリア2やエリア8といった、2番のレーザーが苦手とする場面ではかなり重宝するだろう。
通常ショットも出るので、うまく立ち回れるなら常時運用も可。
通好みの武器。
5 ミサイル
非常に優秀なホーミング性能を持つミサイルを大量に発射。
敵や障害物に命中すると、そこで爆発。
爆発エフェクトが出ている間は攻撃判定がある。
Rボタンを押すと、ミサイルのホーミング性能がなくなり、一定の軌道で発射される。
画面表記はMIS。
残念ながら、いちばん弱い武器。
ホーミング性能は優秀だが、狭い地形が多いこのゲームにおいては、活躍できる場面があまりにも少なすぎる。
せめて通常ショットが3番のサークルのように広くなってくれればよかったが……。
6 チャージガン
いわゆる溜め武器。
最大まで溜めてからボタンを離すと、前方に極太のレーザーを4本発射する。
このレーザーは障害物や敵にまったく影響を受けずに約2秒間発射され続け、照射下にある破壊可能なすべてのオブジェクトを焼きつくす。
画面では2本に見えるが、ゲーム中はちらついて4本表示されている。
Rボタンを押すと、通常ショットが出ない代償として、レーザーの溜めが何倍にも速くなる。
画面表記はC.G.
使いこなせれば、最強の武器。
まず溜めながらそこそこ強い通常ショットが撃てるのが強い。
さらに、レーザーを溜めているときに自機前方に出る球体は、敵弾を消せるどころか地上物に対する攻撃判定まであるのが強い。
このゲームでいちばん難しいエリア8も、事前に壁をレーザーで焼きつくして飛んで来る破片を消滅できるのが強い。
見た目も「漢の武器」という感じがする点が強い。
7 スプライト
自機に追尾して動くスプライトが攻撃に参加する。
「グラディウス」のオプションと同じようなものだと考えて問題ない。
Rボタンを押すとスプライトが青色になり、位置が固定される。
すべてのスプライトを縦一直線に固定したときの攻撃力は、すさまじいものがある。
画面表記はSPR。
3番の武器サークルと違い、敵に接触するとダメージを受けて小さくなり、ダメージが上限に達すると消滅してしまう。
地形を完全に覚えているなら、かなり有利に進められる武器といえるが、そこまでこの武器にこだわる必要があるかというと疑問が残る。
8 クラッカー
前方に高速な球体を発射し、敵や障害物にぶつかると爆発して通常ショットをばらまく。
攻撃力はかなり高い。
Rボタンを押すと、自機の左右移動にそって球体を撃ち出す、いわゆる「ワインダー」状態の軌道になる。
画面表記はCRA。
威力がそこそこ強いうえ、使っていて楽しい武器。
「ドムドムドム」と小気味よい効果音で高速に球体を撃ち出すのは、操作していて快感である。
また、爆発する前の球体は敵弾を消せるのが、クラッカーを強い武器にしている。
地形が入り組んだり、敵が大量に出現するシーンでの殲滅力は目を見張るものがある。
得意なエリアは特にないが、ボス戦ではいちばん強いのではないだろうか。
武器のレベルアップ
武器をレベルアップするには3通りの方法がある。
1.オレンジのカプセルを取る
画面上部に映っているオレンジのカプセルを取ると武器レベルが上がるが、レベルが高くなるにつれて、レベルアップに必要なカプセルの数が増える。
2.グリーンのカプセルを取る
画面左に映っているグリーンのカプセルは、ひとつ取るだけで必ず武器のレベルが1上がる。
そのため、オレンジとグリーンのカプセルが同時に出現した場合は、オレンジから取るとよい。
タイミングよくオレンジを取って武器レベルが上がったら、直後にグリーンを取れば、短時間に2レベルアップすることができるからだ。
3.いま使っている番号の武器を取る
いま使っている武器と同じ番号の武器を取ると、武器レベルが1上がる。
積極的に活用していきたい。
特殊な武器アイテム
たまにオレンジではなくグリーンの武器アイテムが出現するが、このアイテムは特殊である。
常に1~8の順に数字が変わり、その数字の時に取るとオレンジの武器アイテムと同じ効果だが、攻撃を当て続けるとグリーンのモヤモヤした物体に変化する。
この物体は「エネミーイレーサー」といい、取ると画面上の敵がすべて消滅する。
そして先ほどのルール説明で述べた、⑤のオレンジ色の残機数が1増える。
ちなみにエネミーイレーサーは画面下に行ってしまっても一度だけ上に戻ってくるので、そこまであわてて取る必要はない。
ボムについて
Bボタンを押すと、自機が一定時間無敵になり、画面上すべてを攻撃するボムが発射される。
見落としがちだが、Bボタンを押しっぱなしにするとボムの飛距離(爆発の中心地点)を調整できる。
画面に映っている「B」と書かれたアイテムを取ると、ボムが1発補充される。
ついつい温存したくなるが、ボム所有数の上限は12なので、ここぞという場面では積極的に使いたい。
スーパーアレスタの欠点
とても面白いスーパーアレスタですが、よくないと思う点もいくつかあります。
各エリアが無駄に長い
とにかく各エリアが長いです。
半分にできなかったのかな? と思います。
1プレイに1時間以上かかってしまいます。
しかし、各エリアの敵の出現パターンを見ていて気づいたんですが、もしかしたらJ-POPの曲構成のように
イントロ > Aメロ > Bメロ > サビ > 間奏 > Aメロ > Bメロ > サビ > 間奏 > Cメロ > サビ
みたいな展開にしているのかなあと。
そう考えると、この一見無駄に思える長さも納得できます。
いや、長いんですけどね……。
エリア3・6・9は必要だったのか?
エリア3・6・9はショートステージで、ひたすら障害物を壊しながらアイテムを手に入れるだけの構成になっています。
ボーナスステージのように見えますが、途中でミスって武器レベル0の状態になると、ボムを使わなければ障害物にスクロールアウトさせられるような理不尽ゲームになります。
「全12エリア」と、カサ増ししたかっただけなのでは? なんて思ってしまいます。
武器の優劣がハッキリしすぎている
上で各武器についてタラタラと解説しましたけど、使える武器とそうでない武器の差が大きすぎます。
やっぱり5番のミサイルが残念すぎるんですよね。
2番のレーザーが万能だし、6番のチャージガンが、強さとロマンの両方をかっさらってしまっているのも問題です。
それでもスーパーアレスタは最高のシューティングゲーム!
いいところではなく欠点ばかり書いてしまいましたが、「スーパーアレスタ」はスーパーファミコンのシューティングゲームでは、間違いなく最高のゲームのひとつです。
「欠点」ではなく「いい点」は、この記事を読んでくれた、そこのあなたがプレイして確かめてみてはいかがでしょうか。
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