よく「酒は百薬の長」と言われますね。
節度を持って飲めばストレス解消にもなるし、仲間とのコミュニケーションの手段としても有効です。
じつは同じ「お酒」といっても、いろんな種類があります。
ここでは、お酒の種類と歴史、豆知識などを紹介してみたいと思います。
清酒
いわゆる日本酒です。
我々日本人でも、意外と日本酒の事を知らないのではないでしょうか。
歴史
縄文時代から弥生時代になるあたりで、大陸から日本に稲作が伝わりました。
これに伴って、米での酒作りが発祥したと言われています。
最初はおそらく「清酒」と呼べるような代物ではなかったでしょうが、技術改良が進み奈良平安時代には、宮廷に造酒司(さけのつかさ)という組織が置かれ、宮廷内の各種行事に日本酒が利用されていたようです。
室町時代になると、寺院や酒業者による日本酒の醸造が栄えました。
そしてなんと室町幕府の時点で日本酒に課税していました。
この税収は幕府にとっても無視できない規模だったそうです。
戦国時代になると、諸白造り(もろはくづくり)と言われる現在と同じ精米された米での清酒造りが始まり、火入れ(加熱殺菌)も行われるようになりました。
江戸時代になると、寒造り(かんづくり)という寒い時期の仕込み等、現在の酒造技術の基礎ができあがりました。
江戸や大坂での流通量も飛躍的に大きくなりました。
明治以降は、選別された微生物や機械の導入により、品質、味ともに安定して現在に至ります。
清酒の種類
吟醸酒
精米歩合60%以下の白米だけを使用し、醸造アルコールの使用量が白米の重量の10%以下。
フルーツのような香りと、淡麗かつ滑らかな味が特徴です。
また、精米歩合50%以下の白米だけを使用した吟醸酒は「大吟醸酒」になります。
純米酒
醸造アルコールの添加をいっさいしない清酒です。
同じ純米酒でも、コクのある味わいが売りの銘柄と、吟醸酒のような香り高い銘柄があります。
精米歩合の違いにより、このような差が出るのだと思われます。
本醸造酒
精米歩合70%以下の白米だけを使用し、醸造アルコールの添加量が白米の重量の10%以下の清酒です。
適度なアルコールの添加によるスッキリとした味が特徴です。
生酒
火入れ(加熱殺菌)を一切していない清酒です。
加熱していないので香り高い味を楽しめますが、低温で貯蔵しておかないと劣化が早く、流通期間を長く取れません。
生貯蔵酒
生酒に似ていますが、出荷前に一度だけ火入れ(加熱殺菌)をした清酒です。
生酒よりは劣化が少なくなりますが、早く飲んだ方がいい事には変わりありません。
にごり酒
「活性清酒」とも。
清酒のもろみを布などで濾した清酒です。
固形分があり、味は濃厚です。
常温で保存すると発酵が進んで炭酸ガスが発生するので冷蔵保存が必須です。
冷蔵保存してもわずかながら発酵は進むので、早く飲んだ方がいいでしょう。
保存上の注意
加熱殺菌されてビン詰めされた清酒は2~3ヶ月は劣化しませんが、長期保存に向いたお酒ではないので、なるべく早く飲む事をおすすめします。
また、試してみるとわかりますが、清酒を透明な容器に入れて日光に晒すと3時間くらいで黄色くなってしまいます。
このため、日本酒のビンは少しでも日光を遮断するために茶色や緑色なのです。
日本酒は高温も苦手です。長期間経過すると老香(ひねか)と呼ばれる独特の臭いがつきます。
これは日本酒によって、いい雑味になる事もあるし味が悪くなる事もあります。
基本的に日本酒は冷蔵保存がいいでしょう。
合成清酒について
戦争で米が不足していた時代に、米を使わずに日本酒に似た味のお酒を造れないかと試行錯誤され、アラニンというアミノ酸を添加して発酵させると日本酒のような香りになる事が発見され、合成清酒が世に出回りました。
今でもコンビニで100円前後で売っている紙パックの日本酒を見ると「合成清酒」と書いてあるかもしれません。
あまりおすすめできませんが、一度くらいなら飲んでみてもいいかもしれませんね。
焼酎
いわゆる焼酎ですが、大ざっぱに「連続式蒸留焼酎」と「単式蒸留焼酎」の2種類に分けられます。
歴史
連続的に蒸留をする機械、いわゆる「連続式蒸留機」は1800年代にアイルランドで生まれました。
アイルランドの機械を参考にしたのかどうかはわかりませんが、日本では1900年頃に連続式蒸留機が出現しました。
また、一度だけ蒸留する「単式蒸留焼酎」が日本に出現したのは15世紀頃の沖縄だと言われています。
当時、琉球王国が交易していた東南アジアの国のひとつ、シャム(現在のタイ)から伝わったという説が有力です。
そこから鹿児島に伝わり、どんどんと単式蒸留焼酎は北上を続け、江戸時代には伊豆諸島や壱岐でも製造されるようになりました。
現在は技術の進歩により、全国各地で単式蒸留焼酎は製造されています。
焼酎の種類
米焼酎
米を主原料とした焼酎です。
熊本県の球磨焼酎が有名ですが、各地でいろんな風味の米焼酎が製造されています。
麦焼酎
大麦を主原料とした焼酎です。
長崎県や大分県が産地としては有名ですが、全国各地で生産されています。
麦の風味を活かしたものや、樽貯蔵してウイスキーのような味わいのものなど、同じ麦焼酎といってもひとくくりにできません。
そば焼酎
そばを原料とした焼酎です。
宮崎県が有名ですが、そばが有名な各地でも製造されています。
全国のそばの風味が異なるように、そば焼酎の味もさまざまです。
芋焼酎
さつまいもを主原料とする焼酎です。
さつまいものほのかな香りと甘みが特徴です。
鹿児島県と宮崎県が主な産地です。
香味が豊かなものが美味しいとされています。
黒糖焼酎
黒糖を主原料にした焼酎です。
黒糖焼酎は、鹿児島県の奄美諸島でのみ生産されています。
黒糖の甘い香りが特徴です。
泡盛
黒麹菌で造った米麹のみを原料とした、沖縄県の伝統的な焼酎です。
とても香り高く、芳醇な味わいが特徴です。
3年以上の長期貯蔵した泡盛は「古酒(クースー)」と呼ばれ珍重されています。
その他の焼酎
他にも、栗やトウモロコシ、じゃがいもや山芋を原料とした焼酎も存在します。
保存上の注意
焼酎は清酒ほど気を使う必要はありませんが、やはり日光に当てるのはよくありません。
また高温の場所に置くと油臭(あぶらしゅう)という独自の臭いが付き味が劣化します。
逆に極端に低温の場所に置いても白濁する事があります。
この白濁は常温の場所に置けば透明に戻るので、味の劣化はありませんが、見た目的によろしくありません。
ビール
歴史
ビールはとても歴史があるお酒です。
紀元前4000年頃のメソポタミア時代にはすでにビールがあったようです。
当時のビールは、そのまま飲むものではなく、薬草や香草を加えて飲んでいました。
15世紀にホップを苦味付けに利用するようになるまで、その風習は続きました。
ドイツのバイエルン地方で低温発酵する酵母を使った「下面発酵方式」が開発されてからは、味や香りに優れ、腐敗などの失敗も少ない醸造方法が確立されました。
19世紀にチェコで醸造された下面発酵ビールが、ホップの苦味と黄金色の見た目、さらに洗練された味だったのも伴って、全世界に広まりました。
そのあとも酵母の研究や冷凍機の発明、さらには冷蔵したままでの物流技術も相まって、ビールは世界的にメジャーなお酒になりました。
ちなみに、日本でビールの製造が始まったのは明治になってからです。
種類
ペールエール
赤褐色のホップの香りが効いたビール。
フレッシュな香りに優れています。
ヴァイツェン
小麦を使った苦味を抑えたビール。
泡立ちのよさが特徴です。
ケルシュ
琥珀色のビール。
香味は華やか、味はまろやかで苦味が少ないです。
アルト
褐色に赤紫がかった色のビールです。
しっかりとした苦味とすっきりとした味わいが特徴です。
スタウト
濃厚な味わいと香ばしさがあり真っ黒なビールです。
味わいの中に、やや酸味があると評価が高くなる傾向にあります。
ピルスナー
日本でビールと言ったらこれを指します。
日本だけではなく、全世界で主流となっている黄金色で爽快な味のビールです。
ドルトムンダー
あまり見かけませんが、苦味が弱くアルコール度数が高いビールです。
おそらくドイツの人しか飲んでいません。
アメリカビール
炭酸ガスの含有量が多い苦味が弱いビールです。
デュンケル
濃褐色で、甘く香ばしい味のビールです。
ドイツ料理屋さんでよく見かけますね。
ボック
濃厚でアルコール度数が非常に高いビールです。
ホップの香りも効いています。
ランビック
酵母を使わずに、自然発酵で製造するビール。
ぬか漬けやキムチと同じで、それぞれの醸造所により全然味わいが変わってきます。
主にベルギーで生産されています。
メルツェン
濃褐色の甘く香ばしいビールです。
Marzとは、ドイツ語で3月を意味します。
冷蔵技術のない時代のドイツでは、衛生上の都合で夏にビールを生産するのは禁止されていました。
そのため3月に日持ちのするビールを造り、夏の間はこのビールを飲もうという事で生まれたビールです。
現在ではそういう意味は薄れてしまいましたが、1年中飲む事ができます。
保存上の注意
ビールは炭酸飲料なので、ビンや缶の中には室温状態で2気圧の圧力がかかっています。
なので、不用意に容器を振ったりぶつけるのは避けましょう。
最悪、破裂の恐れがあります。
高温はもちろんですが、冷やしすぎるのもビールにはよくありません。
5℃以下に冷やすと白濁して、美味しくない苦味が出てきます。
また急いで冷やそうとして冷凍庫に入れるのもよくありません。
悪い苦味が増すうえに、冷凍していた事を忘れると最悪冷凍庫の中で爆発します。
果実酒
果実酒で最も有名なのは、ぶどうを原料としたワインですね。
歴史
果実を原料にして発酵させた酒類です。
その代表的なワインは、人類の歴史の中でも最も古い酒類のひとつで、紀元前6000年頃には既にぶどうの栽培やワインが存在していたようです。
メソポタミアやエジプトの古代文明からギリシャローマ時代にいたるまで、ワイン造りの記録はたくさん発見されています。
中世に入ると、修道院や教会でワインが造られるようになりました。
その後、ヨーロッパ人がアフリカやオーストラリアなどの植民地でもワイン造りを始め、17世紀になるとガラスびんやコルク栓が用いられ、世界中にワインは広まっていきました。
20世紀になると、ぶどうの栽培技術が著しく向上し、発泡性ワインやシェリー酒のようなアルコール強化ワインも造られるようになりました。
信じにくい話ですが、日本には戦国時代にワインが入ってきた記録があります。
種類
スティルワイン
聞きなれない言葉かもしれませんが、発泡性のない赤ワインや白ワインのような一般的なワインの事です。
スパークリングワイン
炭酸額を含むワインです。
フランスのシャンパン、イタリアのスプマンテなどが有名です。
ワインの種類はこれだけではなく、赤ワイン・白ワイン・ロゼなどの色による違いもありますし、白ワインは甘い辛いで分けたり、赤ワインは味の濃さにより、フルボディ・ミディアムボディ等と分類されます。
さらには食前酒(アペリティフ)、食中酒(テーブルワイン)、食後酒(デザートワイン)という分類のされかたもし
フルーツワイン
ぶどう以外の果実から造られる果実酒をフルーツワインと呼びます。
りんご酒、キウイ酒、さくらんぼ酒など種類は多岐に渡ります。
保存上の注意
ワインを保存する上で最も大切なのは、横に寝かせて保存してコルクを決して乾燥させない事です。
コルクが乾くと空気が中に入りワインの酸化を進める原因になります。
つまり、そのまま味の劣化につながります。
日光と高温もワインの大敵です。
冷暗所に保存するのが大切です。
かといって、冷やしすぎるのもいけません。
酒石と呼ばれる結晶が出る事があります。成分が結晶する事により味が変わります。
熟成したワインに振動を与えるのも厳禁です。
一般的にワインを揺すると、香味のバランスが崩れると言われています。
甘味果実酒
フォーティファイドワイン(アルコール強化ワイン)や、薬草などを原料にしたアロマタイズドワイン(フレーバードワイン)は、日本では酒税法の関係で果実酒ではなく、甘味果実酒に分類されます。
フォーティファイドワインの種類
シェリー
スペインで造られるアルコール強化ワインです。
甘口から辛口までありますが、大まかには、白ワインにワインの蒸留液を混ぜてシェリー酵母を繁殖させたシェリー樽で貯蔵した「フィノ」と、フィノよりもブランデーを多く添加してシェリー酵母を使わずに樽貯蔵した「オロロソ」の2種に分類されます。
ポート
ポルトガルで造られるアルコール強化ワインです。
黒ぶどうをワイン同様に仕込んで、発酵途中でブランデーを添加して発酵を止めてから圧搾し、樽貯蔵したお酒です。
味はとても甘いです。
マディラ
大西洋にあるマディラ島で、ワイン同様の仕込みをして、発酵中にブランデーを添加して発酵を止めます。
この発酵を止めるタイミングにより甘口から辛口までの味が決まります。
また約50℃で数ヶ月間貯蔵する事による強い熟成香が特徴です。
アロマタイズドワインの種類
ベルモット
熟成した白ワインに、ニガヨモギなどの薬草を漬け込んだお酒です。
漬け込む薬草は数十種類にも及びます。
ちなみに赤ベルモットというのは、カラメル等で着色したものです。
スイートワイン
日本で造られている、ワインに糖蜜や香料や色素、水などを加えたお酒です。
「赤玉ポートワイン」が有名です。
昭和40年代までは、スイートワインの事がワインだと思い込んでいた人も多くいました。
保存上の注意
保存上の注意は、果実酒と同じです。
ウイスキー
歴史
アイルランドには、12世紀末には穀物を原料とした蒸留酒があったという記録があります。
当時は麦芽を蒸留したのち、樽貯蔵する事なくそのまま無色透明のお酒を飲んでいたようです。
18世紀にスコットランドがイングランドに併合されると、ウイスキーに対して過酷な税金が課せられるようになりましたが、密造者たちはウイスキーを隠す為に樽に長期保存するようになったり、麦芽を乾燥させる際にピート(泥炭)を用いたりして、現在のモルトウイスキーの原点が生まれました。
19世紀に連続式蒸留機が発明されると、麦やとうもろこしなどのグレーン(穀物)を原料としたグレーンウイスキーが誕生しました。
モルトウイスキーとグレーンウイスキー、両者をブレンドしたブレンデッドウイスキーが現在のウイスキーの主流となっています。
また、ウイスキーの技術はアメリカにも渡りましたが、これはとうもろこしを主原料としたバーボンウイスキーとして発展して現在に至ります。
19世紀に日本から単身スコットランドに飛んだ竹鶴政孝さんが、ウイスキーの技術を学んで日本に持ち帰り、いわゆる「ジャパニーズウイスキー」の起源となったのは、有名な話です。
種類
モルトウイスキー
麦芽100%を原料に2回蒸留したのち3年以上樽貯蔵したウイスキーです。
1カ所の蒸留所で樽貯蔵されたモルトウイスキーだけで造ったものを特別に「シングルモルトウイスキー」と呼びます。
それぞれの蒸留所ごとに個性が強い味が特徴です。
ブレンデッドウイスキー
モルトウイスキーと3年以上樽熟成されたグレーンウイスキーだけをブレンドしたウイスキーです。
個性の強いシングルモルトウイスキーと違い、一般的には飲みやすく飽きの来ない味わいといえます。
アイリッシュウイスキー
麦芽の他にとうもろこし、大麦、ライ麦、えん麦等を原料に使用したもので、主にアイルランドで造られています。
グレーンウイスキーをブレンドし、比較的風味が穏やかなタイプが多いのが特徴です。
アメリカンウイスキー
とうもろこしを主原料に、ライ麦や小麦、大麦を使用し、内側を焦がしたオーク樽で貯蔵したウイスキーです。
焦がした樽由来の強烈な香りと恋褐色が特徴です。
アメリカの限られた地域で造られたアメリカン・ウイスキーは「バーボンウイスキー」と名乗る事が許されています。
ジャパニーズウイスキー
日本人の嗜好に合わせたマイルドなタイプが主流ですが、近年は本格的なシングルモルトウイスキーも造られており、しばしばとんでもない高値で取引されています。
保存上の注意
蒸留酒であるウイスキーは、品質の劣化にそこまで神経質になる必要はありません。
ただし、直射日光だけは避けた方が無難です。
長期間日光に晒すと色が褪せたり味が落ちます。
ブランデー
歴史
12世紀頃、ヨーロッパ各地でワインを蒸留したお酒が造られるようになりました。
当時は樽貯蔵をせずに無色透明で、お酒というよりは薬として飲まれていたようです。
17世紀頃にフランスのコニャック地方でワインを蒸留したものを樽貯蔵を始めたのが、ブランデーの起源だと言われています。
「コニャック」の名の通り、この地方はブランデー産地として世界的に有名になりました。
ぶどう以外の果実からブランデーを造る土地も出現し、日本でも昭和30年代にはブランデーの製造が始まったようです。
種類
コニャック
フランスのコニャック地方で造られる、世界で最も多く飲まれているブランデーです。
華やかな香りとまろやかな味は、まさにブランデーといった風格です。
アルマニャック
フランスのアルマニャック地方で造られる、やや重厚な味わいが特徴のブランデーです。
コニャックもそうですが、アルマニャック地方で造られたブランデーのみ、アルマニャックを名乗る事ができます。
粕取りブランデー
赤ワインや白ワインの搾り粕に水と糖分を加えて発酵させてから蒸留して造るブランデーです。
イタリアでは「グラッパ」、フランスでは「マール」と呼ばれています。
風味の豊かさが特徴です。
フルーツブランデー
りんごやさくらんぼ、プラムやメロン等で造るブランデーです。
特にりんごから造る「カルバドス」は、有名でしょう。
保存上の注意
ウイスキーと同じく、直射日光を避ける事が重要です。
基本的に蒸留酒のため、醸造酒のように神経質になる必要はありません。
スピリッツ
スピリッツはジン、ウオッカ、ラムあたりが有名です。
それぞれのスピリッツには歴史がありますが、スピリッツの歴史という解説は無理なので、ここでは各スピリッツ毎に歴史を書いていこうと思います。
ジンの歴史
ジンの起源は、オランダのシルヴィウス博士が薬用として開発しました。
利尿剤・健胃剤として利用されていたようです。
当初は薬用だったジンも次第にお酒としての魅力が広まり、現在では世界各地で造られています。
杜松(ねず)の実の風味と爽快感があるお酒です。
杜松はヤニの様な独特の香りが特徴の植物で、肉料理のスパイスとして使われています。
ラム
砂糖を造る過程で大量にできる糖蜜に水を加えたあと、酵母などを添加して発酵させてから蒸留、その後に樽貯蔵をして造るお酒です。
蒸留の回数により軽快なタイプと香味の強いタイプに分かれます。
ウオッカ
じゃがいも、とうもろこし、小麦などの穀物を主原料として糖化・発酵した後に連続蒸留して、白樺炭で濾過したものがウオッカです。無色透明でほとんどアルコールそのもののため、カクテルベースに使われます。
ハーブや香料で風味をつけたフレーバーウオッカも盛んに造られています。
変わり種としては、ぶどうを原料としたウオッカも存在します。
テキーラ
約10年かけて育てたリュウゼツラン(アガベ)の葉を切り落として、茎の部分を蒸して発酵させてから蒸留したお酒がテキーラです。厳密にはメキシコのテキーラ村周辺で造られたものだけがテキーラと呼ばれています。
熟成期間が短いテキーラはカクテルベースに使われる事が多いですが、その鮮烈は風味は素晴らしいですし、熟成期間が進み茶褐色になったテキーラは「アネホ」と呼ばれ、とても貴重な存在になります。
リキュール
リキュールは、お酒に植物性の香味成分を追加して、着色料や甘味料を加えて造るお酒です。
リキュールで最も有名なのは、梅酒でしょうか。
みりん
歴史
みりんの原料には焼酎が使われているので、焼酎が造られるようになった後の戦国時代頃ではないかといわれていますが、はっきりとした事はわかっていません。
最初はお酒というよりも甘い飲料として飲まれていたようです。
江戸時代後期からは調味料として使われるようになりました。
また、みりんと焼酎を1:1で割って飲む「本直し」は、暑気払いとして流行りました。
現在でも本直しは粋なお酒として、よく飲まれています。
保存上の注意
日光に当てずに冷暗所に保存するのがいいでしょう。
高温に長期間晒されると色が濃くなり香りが悪くなりますし、冷蔵庫のような冷えすぎる場所だと糖分が結晶化し、冷蔵庫に入れたハチミツのように白い塊ができます。
発泡酒
ビールへの酒税の高さに対応して日本のビール会社が考案した、原料の麦芽の量を減らして造ったビール風のお酒です。
このあたりの関係で、海外では堂々とビールを名乗っているフレーバービールも、日本に輸入されるとビールを名乗れなくなる事もあります。
その他の醸造酒
いわゆる「第三のビール」や、中国の紹興酒などがここに分類されます。
粉末酒
お酒にデキストリンというでんぷんの一種を混ぜて乾燥すると、デキストリンにアルコールが閉じ込められた状態の粉末ができます。
水にこの粉末を混ぜるとお酒になります。
現在では、お酒としてではなく、お菓子やから揚げ粉に利用される事がほとんどで、一般的にお酒としては流通していません。
雑酒
ここまで紹介したお酒に分類されないものが雑酒になります。
日本では灰持酒(あくもちざけ)、地伝酒(じでんしゅ)、赤酒(あかざけ)等がこれに該当します。
中国の紹興酒も、原料によっては雑酒に分類されます。
まとめ
どうでしたか?
一口に「お酒」といっても、かなりの種類がある事がわかっていただけたかと思います。
いろんなお酒の種類や歴史を知っていると、お酒の席での話題づくりに役に立つかもしれませんね。
ただし、ウンチクっぽく語りだすと嫌われるだけなので注意して下さいね!
また、今まで知らなかったお酒があったら、チャレンジしてはどうでしょうか。
今後、人生を共にするようなお酒に出会えるかもしれませんよ。
冒頭にも述べたように、「酒は百薬の長」とも言われています。
節度を守って楽しみましょう。
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