ファミコン版「スパルタンX」の懐かしい思い出

今回は、1984年に任天堂から出たファミコンゲーム「スパルタンX」の紹介です。
アーケード版からの移植であり、アーケード版はアイレム製です。
また、同名の映画が原作ではありますが、映画の要素はゼロです。

こう書くと物凄いクソゲーっぽいですが、この僕が紹介するゲームですので安心してください。
キッチリとした良作ゲームです。
ネタが尽きるまでは、クソゲーを紹介するつもりはありません!

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謎の組織『X』に囚われたシルビアを救うために館の最上階を目指そう

「スパルタンX」の目的は、主人公のトーマスを操作して館の最上階に囚われたシルビアという女性を救う事です。
ドット絵で見る限りでは、チャイナドレスがセクシーな美女なので、ここはなんとしても救いたいところです。

5階建ての館は、手強い敵や罠だらけです。
こんな場所に単身乗り込むのは無謀としか思えませんが、説明書によればトーマスは「カンフーの達人」らしいので、操作方法さえ覚えれば簡単にシルビアを救出できるはず!

スパルタンXの基本操作

主人公トーマスの操作は、いたってシンプルです。

十字ボタンの左右で移動、下でしゃがみ、上でジャンプです。
左上と右上で斜めジャンプができます。
また、左右移動中のジャンプのタイミングによっては、左を向いた状態で右方向にジャンプといった、いわゆるバックジャンプもできます。

Aボタンでパンチ、Bボタンでキックです。
パンチとキックは、しゃがみ中やジャンプ中にも出せます。

強力なのはジャンプキックで、これは迫ってくるザコ敵(つかみ男)が密着している状態であれば、最大4人同時に一撃で倒す事ができます。
また、各階のボスにもジャンプキックは有効で、1回当てれば約半分の体力を奪う事ができます。
狙わない手はありません。

立ち状態限定ですが、攻撃中にも反対方向に振り向けます。
しかも、パンチやキックの判定が出ている状態のまま振り向けるので、ほぼ同距離で左右から敵が迫ってきたときには立ちキックを回し蹴りのように使うとノーダメージで切り抜けられます。
ほとんど知られていないわりには、かなり重要なテクニックだと思います。

逆にほとんど使う機会のない技が、ジャンプパンチです。
むしろ、ゲーム中に一度も使わない方が安全です。
ジャンプパンチはジャンプキックと違い、ザコ敵やボス敵に当たり判定がありません。

このゲームでは、基本的にキック系の技が使いやすいです。
どうしてかというと、単純にリーチが長いからなんですね。

しかしそこは任天堂のゲーム。よく考えられています。

キックよりパンチのほうが点数が高いです

ハイスコア狙いなら、パンチをメインで進める事になります。
なにせ、いちばん出現数が多いザコ敵の「つかみ男」は、キックで倒すと100点ですが、ジャンプキックやパンチだと200点です。

ゲームに慣れるまでは、キックメインの方が先に進めると思います。

ザコ敵の説明

このゲームに登場するザコ敵は3種類だけです。

つかみ男


トーマスに掴みかかり、体力を奪う。
掴まれたら十字キーを左右に激しく操作して振り払おう。
一人のつかみ男に掴まれた時の体力の減りは緩やかだが、何人も同時に掴まれると数秒で体力がゼロになってしまう。

トムトム


画面右に映っている小人。トーマスに掴みかかり、体力を奪う。
ここまでは「つかみ男」と同じだが、しゃがんでいるとジャンプして頭上から攻撃してくる事がある。
ジャンプ攻撃をされたらすぐにジャンプすれば頭突き攻撃として迎撃できる。
トムトムは背が低いので、状況によってはジャンプして回避することもできる。

ナイフ投げ

トーマスと距離を置いて、一定間隔でナイフを投げてくる。
ナイフの軌道は上段と下段があり、どちらもしゃがみとジャンプで回避できる。
こういうゲームにしては珍しく、飛んでくるナイフをパンチやキックで叩き落とす事は不可能。
厄介な事に、ナイフ投げを倒すには2回攻撃しなければならない。

各ステージの簡単な紹介と攻略

「スパルタンX」は、基本的に1周が6ステージ(6階)、各ステージ(各階)は横に長い6画面、最後の6画面目にボスが待ち構えているといった構成です。
現在どのあたりにいるのかは通路上部の木でできた看板のようなものに漢数字で書かれているので、迷う事はないでしょう。
もともと一方通行なので迷うわけがありませんが。

ここでは、簡単に各ステージ(各階)の紹介と攻略のコツを書いていきます。
これを読めば、とりあえず誰でもすぐにクリアできるはずです。

1階

最初のステージなので、道中のザコ敵は「つかみ男」と「ナイフ投げ」しか出てこない。
まずは途中に出現する「ナイフ投げ」との戦い方を覚えよう。


ナイフ投げは一定時間ごとにナイフを上段が下段で投げてくる。
ナイフを回避したらすぐに接近して、2回攻撃すれば倒せる。


ボスは「棒術使い」
最初のステージのボスにしては、何も知らないで挑むと厄介な相手。
中途半端な間合いでボスに殴られ続けて死ぬのは、初心者にありがちである。
まず覚えてほしいのは

棒術使いには密着すれば攻撃を受けない

という事だ。
基本的にはジャンプキックで飛び込んで、当たっても当たらなくても、着地したら足払い連打で倒せる。
密着する前に攻撃を受けても、足払いを連打すれば次の攻撃を受ける前に棒術使いは死んでいるだろう。


ボスを倒して画面の奥にたどり着くと登り階段が出現してステージクリア。
1階は右から左に向かって進んだが、2階は左から右に向かって進んでいく。
3階以降も同様に進行方向が左右に折り返していく形である。

2階

2階からはザコキャラの「トムトム」が登場する。
4画面進むまでザコキャラは出現せず、かわりに数多くの罠が待ち構える。
慣れるまでは4画面目まで進む前に右往左往してしまいゲームオーバーになる恐れもあるので、しっかりと対策しておきたい。

蛇壷


進むと天井から緑色の壷が降ってくるが、届く範囲であればパンチやキックで破壊しよう。
もし床に落ちてしまうと、蛇が出現して高速で迫って来てしまい、ジャンプで回避するしかなくなってしまう。
しかし、進行方向とは逆(つまり左側)の離れた位置に落ちてくる蛇壷はそのまま蛇にしてしまった方がいい。
理由は、前進しないでその場にとどまったり後退してしまうと、いつまでたっても罠ゾーンを抜けられないからである。

竜玉


道中に黄色い玉が降ってくる事があるが、これも床に落ちる前に破壊したい。


床に落ちてしまうと、竜が出現して横方向に長い攻撃判定を持つ火を吐いてから消える。
竜が出現して火を吐く前にわずかな隙があるので、その間に攻撃をすれば倒せる。
竜玉が落ちてきたら自分との距離を確認して、竜を倒すのか火を吐かせてやり過ごすかを瞬時に判断しよう。
中途半端な距離から踏み込んで倒そうとすると、まず失敗して大ダメージを受ける事になるだろう。
油断禁物!

クス玉


天井から降りてくるが、頭上の位置で静止しているだけのオレンジ色の玉。
なんだろう? と様子を見ていると突然破裂して下へ3方向に弾を発射する。
進行方向(つまり右側)に出現した場合、優先して破壊する事。
どうしても破壊できない場合はクス玉の真下から2キャラ分くらい左右に動いた位置でしゃがむことで弾を避けられる。
ちなみにクス玉は、ジャンプパンチで破壊できる。
このゲーム、なんとジャンプパンチには、クス玉を破壊する以外の使い道は存在しない!


ボスは「ブーメラン使い」
このゲームにおいて最も攻略が簡単なボス。

ブーメラン使いに密着すれば、ブーメランには一切当たらない

密着してからのしゃがみパンチ連打であっという間に倒せる。
ブーメランは同時にふたつ投げてくるので、上下にうまくかわして接近しよう。

このシーンでは、ブーメラン使いよりむしろ背後から追ってくるナイフ投げに注意したい。

HELP ME! THOMAS! SYLVIA!


2階を突破するとちょっとした演出シーンが入る。
ドット絵で見る限りでは、チャイナドレスがセクシーな美女なので、ここはなんとしても救いたい。
音声合成(?)による何者かの笑い声が不気味である。

3階

3階には2階のような罠は登場しないので、落ち着いて進めば簡単にボスまでたどり着けるだろう。
ただし前後をナイフ投げに囲まれるシーンがあるので確実にナイフを回避すること。
また、3階はボスが手強い。


3階のボスは「怪力男」
その巨体から繰り出す攻撃は食らったら即死レベル。
できる限りノーダメージで臨みたい。

勝負は一瞬で決まる。
ジャンプキックで懐に潜り込んだらしゃがみパンチを連打。
1秒後には、トーマスか怪力男のどちらかが倒れているはずだ。

4階


4階は、これまた厄介なステージである。
4画面進むまでは、壁に開いた穴から毒蛾が次々に襲い掛かってくる。
長居は無用。とにかく前進あるのみ。
基本的には前進する事を優先したいが、毒蛾のスピードはまちまちで、背後(つまり左側)から高速で飛んでくる毒蛾もいるので、確実に迎撃するようにしたい。

4階はボスも非常に厄介である。
このゲームで最も手強いかもしれない。


4階のボス「妖術使い」
まずはその攻撃パターンの多さを確認しよう。


分身の術。


立ちながら攻撃をすると首がポロリ。
妖術使い自身はノーダメージ。


投げた弾が白い蛾になって返ってくる。
触れると大ダメージ。

他にも蛇壷や竜玉を上段と下段に分けて投げてきたりと、本当に手強い。
長丁場になるだけこちらが不利なので、電撃作戦でいきたい。

妖術使いに有効な攻撃手段は、しゃがみパンチだけである。

しゃがみパンチを2発当てると、ドロンと消えて少し後ろに出現する。
出現したらそこまで踏み込んで再度しゃがみパンチを2発当てれば妖術使いを倒す事ができる。

妖術使いがドロンと消えてから出現するまでトーマスが動けないのはゲーム上の仕様なので、落ち着いて行動しよう。

4階をクリアできる腕前があれば、5階は楽勝でクリアできる。
自信を持っていい。

HELP ME! THOMAS! SYLVIA! (2回目)


4階を突破するとちょっとした演出シーンが入る。
ドット絵で見る限りでは、チャイナドレスがセクシーな美女なので、ここはなんとしても救いたい。

5階

この階にシルビアが囚われている。
ここまでに培ってきたテクニックを駆使して進めば、必ずシルビアを救出できるだろう。

2階や4階のような特殊な敵は出現しない。
3階と同じく「つかみ男」「トムトム」「ナイフ投げ」だけだが、その出現タイミングが非常にシビアになっている。
落ち着いて進めば問題はない。


5階のボス「ミスターX」
ひと目で「今までの相手とは違う」というオーラが出ているのがおわかりだろうか。
強烈なジャンプキックを繰り出してくるうえ、こちらの攻撃がなかなか当たらない。

ミスターXに有効な攻撃はジャンプキックと足払いのみ。

いままでのボスと同じくジャンプキックで接近してもいいが、ジャンプキックをガードされるとこちらの着地に足払いを合わせてくるので、あまりおすすめできない。

お手軽かつ、ほぼ唯一の攻略法は

踏み込んでひたすら足払い連打

である。

ただし、ごく稀に足払い連打の隙をぬってジャンプキックを繰り出してくるが、これは運が悪いと思ってあきらめよう。
こちらがしゃがんでいても、ミスターXのジャンプキックは避けられない上に大ダメージ。
今までの階と同じく、いかにボスまでノーダメージで来るのかが重要である。

ついにシルビアを救出!


無事にミスターXを倒してシルビアを助けると、ラブラブな感じの演出になります。


しかし、当時のゲームのお約束。シルビアは何度でも囚われの身となるんですね。

裏技


12人目のつかみ男をジャンプキックで倒すと、5000点入るという裏技が存在します。
12人目以降も24人目、36人目と12の倍数のつかみ男は5000点らしいですが、カウントしながらプレイするのは至難の技です。

ファミコンロッキー現象

当時「コロコロコミック」という漫画誌で『ファミコンロッキー』というファミコンを題材とした漫画が連載されていたんですが、24周目のシルビアを救出しようとするとトーマスがシルビアのジャンプキック一撃で倒されるというシーンがありました。

アルファベットのXは24番目。
そう、真のミスターXは24周目のシルビアだったんだよ!
ΩΩΩ < な、なんだってー!!

もちろん漫画だけの話なんですが、普通にプレイして24周するのは当時の小学生の間ではほぼ不可能に近く、みんな漫画を読んで知ったかぶりで真のミスターXについて語っていたと思います。

全国の教室で
「24周目のシルビアが真のミスターXでめちゃくちゃ強い」
「24周もできるのかよ」
「お、おう。できるよ」
「じゃあ証拠見せろよ。放課後にみんなで○○んちに集合な!」

みたいな修羅場が発生していた事は、想像に難くありません。

ちなみによく語り草になるこのシーン。
シルビアに倒されたのは先行していたアメリカ人の対戦相手だったので、主人公は万全の態勢でシルビアに臨んで倒せました。
主人公はもっと対戦相手に感謝をしたほうがよかったのではないでしょうか。

この『ファミコンロッキー』は、ミスターXで話題になる事が多いですが、他にも「スターソルジャー」というゲームで、目が見えなくなった主人公にヒロインが「○秒後に右に○ドット移動!」「ここで○秒待ってから16連射!」などと徹底的に訓練して目が見えないのに勝利したりとムチャクチャな話が多くて大好きです。
また、ヒロインがとてもかわいいのもポイントです。
興味があったら古本屋などで探してみてください。

まとめ

スパルタンXは個性豊かなボスのおかげで、とてもやりこみがいのあるゲームになっていると思います。
特に4階の妖術使いの攻撃パターンは見ていてほれぼれします。
(見ているとこっちがやられてしまいますが……)

音声合成(?)による
「アチョー!」
「ワッハッハッハ」
「とりゃ! とりゃ!」
「ぼわ~ん」
といった声も大迫力でした。

当時ファミコンをやっているだけで両親に叱られていましたが、なぜかスパルタンXだけは「ねえ、ポンポン落としていくゲームちょっとやらせて」と、母親がコントローラーを奪いに来ました。
また、母親は他のゲームには一切興味を示しませんでした。
スーパーマリオやドラクエの画面を見ても「いつまでもピコピコしない!」と叱るだけでした。

僕にはわかりませんが、一般人への訴求力がとてつもないビジュアルを備えたゲームなんだと思います。
もし売れるゲームを開発する際に、何か重要なものが隠されているのかもしれません。

それが「スパルタンX」というゲームです。

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