パソコンソフトのレンタル屋、昔は普通にありました

生活, オッサンホイホイ

「あ~あ、パソコンソフトのレンタル屋があったらいいのになあ」と思った事はありませんか? パソコンソフトは高額ですし、レンタルで済むのならそうしたいですよね。どうしてCDのレンタルショップはあるのに、パソコンソフト(PCソフト)のレンタルショップはないのでしょうか?

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以前は普通にあった、パソコンソフトのレンタル屋

実は昔、パソコンソフトのレンタル屋は普通にありました。
レンタルビデオ屋と同じように会員になればソフトを借りられました。借りたら家に持ち帰って、ダビングしてから返却します。
レンタルソフト屋のレジには、ついでに買っていけと言わんばかりに、中身が空のフロッピーディスク(生ディスク)がズラリと並んでいました。
花王やmaxell、三菱にTDKといった、フロッピーディスクを生産していた国産メーカーの名前を聞いたら、懐かしく思うオッサン人もたくさんいるのではないでしょうか。
その中で、ひときわ異彩を放っていた異様に値段が安いフロッピーディスクがありました。その名も「ノーブランドディスク(略してノーブラ)」です。
ディスクにもエンベロープにもブランド名が書いてなく謎の存在でしかないのですが、国産ブランドの半額以下で買えたたので、レンタルソフト屋を利用していたお客さんの大半が、ノーブランドディスクをついでに買っていたと思います。今では考えられませんが、当時のフロッピーディスクは日本製が当たり前で、「国産ノーブランド」という謎の言葉もありました。


借りてもダビングできないパソコンソフト

しかし、レンタル屋でパソコンソフトだけをレンタルしても、ダビングはできませんでした。なぜかというと、ソフトメーカー側も高い値段で売っているパソコンソフトを簡単にダビングされては商売になりません。そこで「コピープロテクト」という仕組みをパソコンソフトのプログラムに組み込み、普通にパソコンから操作するディスクの複製コマンドではコピーできないように対策をしたんですね。

有名どころだと「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」というソフトの、普通にダビングしても「ゲーム開始してから牢屋に閉じ込められた主人公をいつまでたっても仲間が助けに来ない」というプロテクトでしょうか。
(本来ならすぐに仲間が牢屋から出してくれます)

コピープロテクトを破るコピーツール

上に書いたように、パソコンソフトをレンタルするだけではダビング(コピー)ができません。
そこで、ソフトをレンタルする人は、ついでに「コピーツール」と呼ばれるソフトも借りないといけませんでした。
「Wizard」「The file master」「天下無敵」などのコピーツールが当時は有名だったように記憶しています。
大抵のパソコンソフトは、コピーツールがあれば、コピープロテクトを解除してダビングできました。
しかし、ソフトメーカー側もそんな状況を、指をこまねいて見ているわけにはいきません。
すぐに新しいプロテクトを開発して、コピーツールを使ってもダビングできないように対策をしました。

プロテクトとコピーツールのイタチごっこ

ソフトメーカーが新しいプロテクトで対策しても、その数週間後にはコピーツール側も新しいバージョンのプロテクト解除プログラムを開発して、コピーツールのオプションとしてレンタル屋に置かれました。このコピーツールのオプションプログラムは「ファイラー」と呼ばれていました。
そのため、レンタルソフト屋を利用する会員は、「目的のパソコンソフト」「コピーツール」「ファイラー」の3本のソフトをレンタルするのが当たり前になっていました。

ここで面白いのは、パソコンソフトをコピーしてやろうというのが目的のコピーツール自身にもプロテクトがかかっていた事でしょう。コピーツールを開発している会社も、自社製品だけはダビングされたくないと思っていたんでしょうね(笑)
(結局、ライバルのコピーツール会社から、そのコピーツールのファイラーが出たりと、自分で何を書いているのかわからなくなってきたけど、本当によくわからない状況になっていました)

イタチごっこは続く

ソフトメーカー側も必死に抵抗して、同じソフトでも出荷時期によってプロテクトの種類を変えるなど試行錯誤していましたが、けっきょくファイラーがたくさん売れるコピーツール側の利益は増えるし、レンタル屋の利益も増えるしで、あんまり効果が無かったように思います。
レンタル屋に置いてあるファイラーのラインナップが充実してきたのも、この頃です。
「信長の野望 戦国群雄伝 初期から4月発売版対応」みたいなバリエーションが多く出現して、自分がレンタルするソフトがいつ発売されたのかと、ファイラーの対応状況を確認しないといけないという、謎の自己責任が発生する時期でもありました。

※便宜上「コピーツール」と呼んでいますが、本来これらは「ディスクアナライザ」というソフトで、名目上はディスクの中身を解析するのが目的でした。また、知識がある人はファイラーに頼らずに、自力でコピープロテクトを解除していました。

1984年の著作権法改正

いままで流行っていたパソコンソフトレンタルでしたが、1984年に著作権法が改正され、グレーゾーンだったパソコンソフトレンタルは、完全に黒になってしまいました。ここで大手のパソコンソフトレンタル店「ソフマップ」がレンタル業から手を引く事になります。

皆さんもご存知の、あの「ソフマップ」です。


「モグリ」でのレンタルソフト屋

大手はともかく、いままで美味しい利益を得てきたレンタルソフト屋が、その事業を簡単にやめるわけはありませんでした。
目をつけられていないようなレンタルソフト屋は、そこからもレンタル業を続けました。
しかし、レンタル屋では都合がよろしくありません。

彼らは「ソフトレンタル屋」ではなく「中古ソフト屋」になりました。

今までは1日1000円でソフトをレンタルしていたのを
「このソフト(9000円)を買ってくれたお客さんに限り、その日に売りに来てくれたら8000円で買い取ります」
というルールに変えました。

表向きは全然違いますが、今までそのお店を利用していた会員からすると、全く同じルールなんですよね。

こういった「モグリ」のお店はかなりの数が、全国の雑居ビルでひっそりと営業を続けていたようです。

まとめ

あの頃は本当にカオスな時代でした。
今後、パソコンソフトのレンタルが復活する事はないでしょう。高額なアプリケーションも月額で使えるようになったりと、時代は変わりました。
目まぐるしく変化するパソコン業界をリアルタイムで見てきたのは、いま思うと幸せだったと思います。
ちなみに僕は当時、エッチなゲームをいっぱいレンタルしていました。
そこかい!

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Posted by kukoshakaku